待ちに待った台湾旅行、美味しいグルメや素敵な観光地に心が躍りますよね。
親日的で多くの人が優しく接してくれる台湾は、本当に魅力的な場所です。
ただ、楽しい旅行にするためには、事前に知っておくべき大切なことがあります。
実は、日本との文化的なマナーの違いから、知らずに相手を不快にさせてしまうかもしれない行動があるんです。
例えば、何気なく使ってしまいがちなジェスチャーや、言ってはいけない言葉、贈り物で避けるべき色など、台湾ならではの習慣が存在します。
また、服装のタブーや現地の交通ルールを守らないと、思わぬトラブルに巻き込まれる可能性も。
特に、台湾の政治的な背景から中国に関する話題は非常にデリケートですし、夜市などでの危険から身を守るための知識も欠かせません。
実際に外務省のウェブサイトでも、海外渡航時の注意喚起がなされています。

せっかくの旅行で失敗や後悔をしないために、この記事で台湾の文化や習慣を一緒に学んでいきましょう。
- 文化の違いからくる台湾特有のマナーやルール
- トラブルを避けるための服装や言葉遣いの注意点
- 夜市や交通機関で気をつけるべき安全対策
- 政治的な話題など、デリケートな会話のタブー
文化から知る台湾でやってはいけない事


- 日本との違いに注意したいマナー
- 知らなかったでは済まない交通ルール
- うっかり使いがちな言ってはいけない言葉
- 誤解を招く危険なジェスチャーとは
- TPOで注意したい服装のタブー
- 贈り物で避けるべき不吉な色とは
日本との違いに注意したいマナー


台湾は日本と文化的に近い部分も多いですが、知っておかないと驚いてしまうようなマナーの違いがいくつかあります。
まず、食事の際のマナーです。日本では出された食事を残すのは失礼にあたることが多いですが、台湾で食事に招待された場合、少し残すのが礼儀とされることがあります。これは、「もうお腹いっぱいです、十分に満足しました」という感謝の意を示すためで、全て食べきってしまうと「もてなしが足りなかったのでは」と相手に心配をかけてしまう可能性があるからです。もちろん、屋台などで自分で購入したものは残さず食べるのが基本ですが、もてなされた際にはこの文化を覚えておくと良いでしょう。
次に、乾杯の習慣です。日本では食事の始めに一度乾杯するのが一般的ですが、台湾の宴席では食事の最中に何度も乾杯が行われます。会話が盛り上がったタイミングや、誰かが席に来た時など、その都度グラスを掲げるのが台湾流。お酒が苦手な場合は無理に飲む必要はなく、形だけで大丈夫ですので、その場の雰囲気を楽しむ気持ちで参加してみてください。
また、日本ではあまり馴染みのないチップの文化ですが、台湾でも基本的にチップは不要です。高級レストランやホテルでは、サービス料が会計に10%ほど含まれていることがほとんど。特別なサービスに対して感謝を示したい場合に、気持ちとして渡すのは良いですが、義務ではありません。
知らなかったでは済まない交通ルール


台湾の交通事情は、日本とは大きく異なります。安全で快適な旅にするためにも、現地の交通ルールは必ず押さえておきましょう。
MRT(地下鉄)の厳格なルール
台北市内を移動するのに非常に便利なMRTですが、構内および車内での飲食は厳しく禁止されています。これには、ガムや飴、さらには水を飲む行為も含まれます。改札の内側(黄色い線の内側)からが禁止エリアで、違反すると1,500~7,500ニュー台湾ドル(約7,000~35,000円)の高い罰金が科されることがあります。うっかり飲み物を口にしてしまわないよう、カバンにしまっておくのが安心です。この厳しいルールのおかげで、台湾のMRTはいつも清潔に保たれています。
バスやタクシーの利用法
台湾のバスは、バス停で待っているだけでは停まってくれないことがあります。乗りたいバスが来たら、日本のようにタクシーを拾う時のように、はっきりと手を挙げて乗車の意思を運転手に示す必要があります。また、運賃はICカード(悠遊カードなど)での支払いがスムーズですが、現金の場合はおつりが出ないことがほとんどなので、事前に小銭を用意しておくことが大切です。
タクシーに乗る際は、ドアが自動で開かないことを覚えておきましょう。自分でドアを開けて乗車し、降りる時も自分で閉めるのがマナーです。ドアを開ける際は、後方からバイクが来ていないか、自分の目でしっかり確認するのを忘れないでください。
交通機関ごとの注意点まとめ
交通機関 | 主な注意点 |
MRT(地下鉄) | 黄色い線の内側での飲食は一切禁止(水、ガムもNG)。違反すると高額な罰金が科される。優先席(博愛座)には座らないのが無難。 |
バス | 乗車時に手を挙げてアピールする必要がある。現金払いはおつりが出ないことが多い。 |
タクシー | ドアは手動で開閉する。乗降時は後方のバイクに注意。後部座席でもシートベルト着用が義務。 |
うっかり使いがちな言ってはいけない言葉


台湾では、特に都市部や観光地で日本語を理解する人が少なくありません。年配の方々は日本統治時代の影響で、若い世代はアニメやドラマ、学習などを通じて日本語に触れています。そのため、日本人同士で話しているつもりでも、内容が周囲に伝わっている可能性があります。
商品の値段やお店の雰囲気、料理の味などについて、ネガティブな感想を声に出して言うのは控えましょう。「まずい」「汚い」といった言葉が、店員さんや周りのお客さんを不快にさせてしまうかもしれません。
また、政治や歴史、特に中国との関係についての話題は非常にデリケートです。台湾の人々のアイデンティティに関わる複雑な問題であり、旅行者が軽々しく意見を述べるべきではありません。これは、現地の人々との良好な関係を築く上で最も注意すべき点の一つと言えます。
逆に、「ニーハオ(こんにちは)」「シエシエ(ありがとう)」といった簡単な挨拶は積極的に使うと喜ばれます。片言でも現地の言葉でコミュニケーションを取ろうとする姿勢は、きっと良い印象を与えるはずです。
誤解を招く危険なジェスチャーとは


言葉だけでなく、何気ないジェスチャーが国によっては異なる意味を持つことがあります。台湾で特にタブーとされるジェスチャーは多くありませんが、文化的な背景から避けた方が良いとされる行動があります。
それは、月を指でさす行為です。台湾には古くから「月を指さすと、月の神様に耳を切られてしまう」という言い伝えがあります。これは迷信であり、科学的な根拠はありませんが、日本で「夜に爪を切ると親の死に目に会えない」と言われるのと似ていて、多くの人が子供の頃から親しんできた考え方です。
旅行者がこの行為をしたからといって誰かに厳しく注意されることはないでしょう。しかし、現地の人が大切にしている文化や言い伝えを尊重する姿勢が、より深いコミュニケーションにつながります。美しい月を見つけたら、指でさすのではなく、「あそこに綺麗な月が出ていますね」と手のひらで示すなど、少し配慮するとスマートです。
TPOで注意したい服装のタブー


台湾は基本的に服装に寛容で、一年を通してカジュアルなファッションで楽しめます。しかし、訪れる場所によっては、服装に配慮が求められることがあります。
最も注意が必要なのは、寺院や廟といった宗教的な施設を訪れる時です。これらの場所は地元の人々にとって神聖な祈りの場です。タンクトップやキャミソール、ショートパンツといった露出の多い服装は避けるのがマナーです。肩や膝が隠れるような服装を心がけましょう。もし露出の多い服で訪れてしまった場合に備えて、羽織れるカーディガンやストールを一枚持っていくと非常に便利です。
また、正式な場ではありませんが、高級レストランやバーへ行く際は、少しだけお洒落をすると良いでしょう。ビーチサンダルやあまりにもラフすぎる服装は、お店の雰囲気にそぐわない場合があります。
巷で「白や黒の服は葬式を連想させるからタブー」という話を聞くことがありますが、現在の台湾では全く問題ありません。実際、街中では黒や白の服を着ている若者をたくさん見かけます。ファッションとして楽しむ分には、色に関する心配はしなくて大丈夫です。
贈り物で避けるべき不吉な色とは


もし台湾の友人にお土産やプレゼントを渡す機会があるなら、品物そのものだけでなく、包装の色やアイテムにも注意が必要です。
台湾の文化では、特定の物が縁起が悪いとされています。その代表格が「時計」です。中国語で「時計を贈る」は「送鐘(sòng zhōng)」と発音しますが、これが「死者を弔う」を意味する「送終(sòng zhōng)」と同じ発音なのです。そのため、置き時計や掛け時計を贈ることは最大のタブーとされています。ただし、腕時計は発音が異なるため問題ないとされています。
もう一つは、「傘」です。傘の中国語の発音「傘(sǎn)」が、「別れる」を意味する「散(sàn)」と似ているため、親しい関係を終わらせることを連想させてしまいます。
色に関しては、お金を渡す際に注意が必要です。日本では白い封筒がお祝いにも使われますが、台湾で白い封筒は「香典」を意味します。お祝い事でお金を渡す際は、必ず「紅包(ホンバオ)」と呼ばれる赤い封筒を使いましょう。赤は台湾でおめでたい色とされています。プレゼントのラッピング紙なども、白一色や黒一色は避けた方が無難かもしれません。
安全と法律に関わる台湾でやってはいけない事


- 政治や中国に関する話題の注意点
- スリや交通事故などの危険について
- 外務省が注意喚起するトラブル事例
- まとめ:台湾でやってはいけない事を再確認
政治や中国に関する話題の注意点


前述の通り、台湾において政治や歴史に関する話題は非常にデリケートです。特に、中国との関係については、人によって様々な考え方や立場があり、一概に語れるものではありません。
旅行者は、台湾の人々が持つ複雑な感情や歴史的背景を十分に理解していないことがほとんどです。そのため、善意からであっても、これらの話題に踏み込むことは避けるのが賢明です。例えば、「台湾は中国の一部ですよね?」といった発言は、相手を深く傷つけたり、予期せぬ対立を招いたりする可能性があります。
台湾の人々は非常に親切でフレンドリーですが、だからといって政治的な信条を気軽に話してくれるわけではありません。旅行中は、美味しい食事や美しい景色、温かい人々との交流など、政治以外の素晴らしい側面に目を向けて楽しむことをお勧めします。もし現地の人と深い話をすることがあっても、相手から切り出さない限り、こちらから政治の話題を振るのはやめましょう。
スリや交通事故などの危険について


台湾の治安は世界的に見ても良好ですが、旅行者を狙った軽犯罪や、日本とは異なる交通環境による危険は存在します。
人混みでのスリ・置き引き
多くの観光客で賑わう夜市や九份、満員のMRT車内などは、スリや置き引きが活動しやすい場所です。夢中になって買い物や写真撮影をしていると、手荷物への注意が散漫になりがち。リュックサックは体の前に抱える、ショルダーバッグは常に自分の視界に入る位置に置く、貴重品は一つのカバンにまとめず分散させるなどの対策が有効です。高価なアクセサリーをこれ見よがしに身につけるのも避けた方が良いでしょう。
交通マナーと事故
台湾の街、特に都市部はバイクの交通量が非常に多いのが特徴です。車やバイクの運転マナーは日本に比べて荒いと感じることが多く、「歩行者優先」の意識はあまり浸透していません。青信号で横断歩道を渡っていても、右折・左折してくるバイクや車がスピードを落とさずに突っ込んでくることもあります。
道を渡る際は、信号が青でも「車は止まってくれるだろう」と油断せず、左右をしっかり確認する習慣をつけましょう。バイクが歩道に乗り上げてくることもあるので、歩道を歩く際も油断は禁物です。
外務省が注意喚起するトラブル事例


日本の外務省は、海外へ渡航する国民の安全を守るため、「海外安全ホームページ」などで様々な情報を提供しています。ここには、テロや大規模な災害だけでなく、スリや詐欺、ぼったくりタクシーといった、旅行者が巻き込まれやすい身近なトラブルに関する注意喚起も含まれています。
台湾に関しても、基本的な防犯対策の重要性が繰り返し述べられています。例えば、夜間の単独行動、特に女性の一人歩きは避けることや、見知らぬ人物からの甘い誘いには乗らないことなどが挙げられます。
また、外務省は海外での滞在情報を登録できる「たびレジ」というシステムを推奨しています。これに登録しておくと、渡航先の最新の安全情報を受け取れるほか、万が一、事件や事故、災害に巻き込まれた場合に、日本大使館や総領事館からの迅速な連絡やサポートを受けやすくなります。
これらの公的機関からの情報を活用することは、自分の身を守るための重要なステップです。旅行前には一度、外務省のウェブサイトで最新の情報を確認しておくことを強くお勧めします。
まとめ:台湾でやってはいけない事を再確認


台湾旅行を最高に楽しむために、これまでにご紹介した注意点を最後におさらいしておきましょう。文化を尊重し、安全に気をつけることが、素晴らしい思い出作りの鍵となります。
- MRTの車内や駅構内での飲食は厳禁
- トイレットペーパーは備え付けのゴミ箱に捨てるのが基本
- 寺院や廟では肩や膝を出す服装を避ける
- バスに乗る際は手を挙げて運転手に合図する
- タクシーのドアは自分で開閉する
- エスカレーターでは右側に立ち左側を空ける
- 人前で大声で悪口や批判的な話をしない
- 政治や中国に関するデリケートな話題は避ける
- 時計や傘、白い封筒は贈り物として不適切
- 「月」を指でさす行為は避けた方が無難
- 食事に招待された際は少し残すのがマナーとされることも
- 人混みではスリや置き引きに十分注意する
- カバンは体の前で持つように心がける
- 横断歩道を渡る際は青信号でも左右を確認する
- 旅行前に外務省の海外安全情報をチェックする
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