バルセロナの象徴、サグラダファミリア。

せっかく訪れるなら、その塔の上からの景色も見てみたいですよね。
でも、チケット予約はどうするの?そもそも塔には登るべきか、もし登るなら生誕のファサードと受難のファサードどっちを選べばいいの?と、疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
塔に登るための時間や、Passion facadeと呼ばれる塔の名前の由来、もしもの時に登れない条件、そして長く続く階段のことなど、気になる点はたくさんありますよね。
後悔しない選択をするために、事前に情報を集めておくことが大切です。
この記事では、そんなあなたの悩みを解決するために、サグラダファミリアの塔に関する情報を徹底的に解説します。
- 塔に登るためのチケット料金や予約方法
- 生誕と受難、二つのファサードの塔の特徴と比較
- 塔の見学に必要な所要時間や注意点
- 最終的に塔に登るべきかどうかの判断材料
サグラダファミリアの塔に登るべきかを決める基本情報


- 塔のチケット予約方法と料金
- 見学に必要な所要時間とおすすめの時間帯
- 螺旋階段で降りる際の注意点
- 手荷物とコインロッカー利用の注意点
- 塔に登れない条件と天候による返金
塔のチケット予約方法と料金


サグラダファミリアの塔に登るには、入場券とは別に塔への入場が含まれたチケットの予約が必要です。公式サイトからオンラインで事前予約するのが最も確実で、当日券の窓口に並ぶ時間を節約できます。
チケットはいくつか種類がありますが、塔に登りたい場合は「入場チケット+塔」のプランを選びましょう。日本語のオーディオガイドを利用したい場合は、塔のチケットとセットで申し込むのがおすすめです。
チケットの種類 | 料金(目安) | 内容 |
Sagrada Família | €26 | サグラダファミリア聖堂の入場のみ |
Sagrada Família with towers | €36 | 聖堂の入場+どちらか一つの塔への入場 |
Sagrada Família with guided tour | €30 | 聖堂の入場+ガイドツアー |
Sagrada Família with guided tour and towers | €40 | 聖堂の入場+ガイドツアー+どちらか一つの塔への入場 |
予約の際には、まずサグラダファミリアに入場する日付と時間、そして塔に登る日付と時間をそれぞれ指定する必要があります。
塔の入場時間はかなり厳密に管理されているため、指定した時間の5分〜10分前にはエレベーター乗り場に到着しているように計画を立ててくださいね。
見学に必要な所要時間とおすすめの時間帯


サグラダファミリア全体の見学には、少なくとも90分ほど見ておくと安心です。内訳としては、聖堂内部の見学に約30分、塔の見学(エレベーターの待ち時間や昇降、景色を楽しむ時間を含む)に約30分、そして地下の博物館やミュージアムショップを巡るのに約30分というのが一つの目安になります。



もちろん、滞在時間に制限はないので、心ゆくまでガウディの世界に浸ることもできますよ。
特におすすめの時間帯は、午前中と夕方です。聖堂内部のステンドグラスは、差し込む光の角度によって全く異なる表情を見せてくれます。
午前中は生誕のファサード側から青や緑の光が差し込み、幻想的で厳かな雰囲気に。一方、夕方は受難のファサード側からオレンジや赤の暖かい光が満ち、教会全体が優しい光に包まれます。
写真撮影にこだわる方は、光の向きも考慮すると良いかもしれません。午前中は受難のファサード側が、午後は生誕のファサード側が順光になりやすいので、塔に登る時間を調整するのも一つの方法です。
螺旋階段で降りる際の注意点


塔へはエレベーターで一気に登りますが、下りはすべて自分の足で螺旋階段を降りなくてはなりません。この階段が、想像以上に長く、目が回りそうになるという感想を持つ方も少なくないようです。
特に最後の部分は、中心に手すりがない巻貝のようなデザインになっていて、幅もかなり狭くなっています。
高所が苦手な方や、足腰に不安のある方は少し大変に感じるかもしれません。そのため、当日は必ず歩きやすい靴で訪れるようにしてくださいね。
ただ、階段を降りる途中には、地上からでは見ることのできない彫刻や装飾を間近で観察できるという魅力もあります。
小窓から見えるバルセロナの街並みや、ガウディ建築の細部を楽しみながら、ゆっくりとご自身のペースで降りていきましょう。
手荷物とコインロッカー利用の注意点
塔の上はスペースが限られているため、リュックサックや大きな手荷物を持ち込むことはできません。エレベーターに乗る前に、乗り場付近に設置されている専用のコインロッカーに荷物を預ける必要があります。
このコインロッカーは、生誕・受難それぞれのファサードのエレベーター乗り場の近くにありますので、ご自身が予約した塔の乗り場へ向かってください。
コインロッカー利用のポイント
利用には1ユーロ硬貨が1枚必要ですが、このコインは荷物を取り出す際に返却される仕組みです。



50セント硬貨2枚などでは利用できないため、必ず事前に1ユーロ硬貨を準備しておきましょう。両替機はないので、忘れてしまうと少し困ってしまうかもしれません。
コインの投入口は、ドアの内側という少し分かりにくい場所にあります。荷物を入れてからコインを投入し、ドアを閉めて鍵をかけるという流れになります。鍵は小さいので、見学中に無くさないようにしっかりと管理してくださいね。
塔に登れない条件と天候による返金


チケットを予約していても、いくつかの条件によっては塔に登ることができない場合があります。
まず、安全上の理由から、6歳未満のお子様は塔に登れません。また、16歳未満の方が登る場合は、大人の同伴が必須となります。
車椅子の方や、心臓に疾患のある方、妊娠中の方なども同様に難しいとされていますので、ご注意ください。
さらに、雨や風が強い日など、悪天候の場合も塔への入場が急遽中止されることがあります。天候は予測が難しいため、訪問直前に中止が決まるケースも珍しくありません。
もし、悪天候やエレベーターのメンテナンスなどが理由で当日塔に登れなかった場合は、後日チケット購入時に使用したクレジットカードへ塔の料金分が返金されます。
こればかりは運次第ですが、万が一の際には返金制度があることを覚えておくと安心ですね。
サグラダファミリアの塔、登るべきファサードを比較


- 受難のファサードと生誕のファサードどっち?
- Passion facadeのカラフルな装飾
- 塔に付けられた12使徒の名前と意味
- 塔に登るべきか?メリットとデメリット
- 結論:サグラダファミリアの塔に登るべきか
受難のファサードと生誕のファサードどっち?
塔付きのチケットを予約する際、誰もが悩むのが「生誕のファサード」と「受難のファサード」、どちらの塔に登るかという選択です。一度の入場で登れるのはどちらか一方だけ。それぞれの特徴を知って、ご自身の興味に合った方を選びましょう。
ファサード | 生誕のファサード (Nativity Facade) | 受難のファサード (Passion Facade) |
テーマ | キリストの誕生の喜び | キリストの受難と死 |
建築時期 | ガウディ存命中に建設された唯一の部分 | ガウディの死後に着工 |
特徴 | 繊細で生命力あふれる彫刻、自然モチーフ | 直線的で現代的な彫刻、重厚な雰囲気 |
人気度 | 一般的に人気が高く、混雑しやすい | 比較的空いていることが多い |
景観 | バルセロナ北東部の市街地、トーレ・アグバール | 地中海やモンジュイックの丘方面 |
見どころ | 生命の樹、日本人彫刻家・外尾悦郎氏の作品 | カラフルな装飾、建設中の様子 |
一般的に人気が高いのは、ガウディ自身が手掛けた彫刻を間近で見られる「生誕のファサード」です。キリスト誕生の喜びに満ちた、細やかで美しい装飾は圧巻です。
特にこだわりがなければ、まずはこちらを選ぶと間違いないかもしれません。
一方で、ゆっくりと自分のペースで見学したい方には「受難のファサード」がおすすめです。こちらは比較的空いていることが多く、塔の上からの景色や装飾を落ち着いて楽しめます。
Passion facadeのカラフルな装飾


受難のファサードは、英語でPassion facadeと呼ばれています。こちらの塔の魅力は、何と言ってもその色鮮やかな装飾を間近で見られることです。
ファサード自体はキリストの苦しみをテーマにしているため、彫刻は直線的でどこか重々しい雰囲気があります。
しかし、塔に登って装飾に目を向けると、その印象は一変します。赤と黄色の十字模様や、青やピンク、緑のガラスモザイクで飾られたオブジェクトなど、まるで万華鏡のような色彩が目に飛び込んできます。
これらの装飾は、ガウディが得意とした「トレンカディス」という破砕タイルを用いた技法で作られており、太陽の光を浴びてキラキラと輝く様子は本当に美しいですよ。
学園祭のようで安っぽいと感じる方もいるかもしれませんが、このカラフルでポップなデザインは受難のファサードならではのものです。生誕のファサードとは対照的な魅力をぜひ楽しんでみてください。
塔に付けられた12使徒の名前と意味
サグラダファミリアには、最終的に18本の塔が建てられる計画ですが、そのうち12本はイエス・キリストの12人の弟子「12使徒」に捧げられています。
現在登ることができる生誕のファサードと受難のファサードには、それぞれ4本ずつの塔が完成しており、各塔には使徒の名前が付けられています。
ファサードごとの使徒の名前
- 生誕のファサード: ベルナベ、シモン、ユダ、マタイ
- 受難のファサード: 小ヤコブ、バルトロマイ、トマス、フィリポ
これらの塔の上部には「ピナクル」と呼ばれる尖塔が置かれ、各使徒の頭文字のオブジェや、司教冠を象徴する黄金の十字架で飾られています。
塔に登るということは、キリストの教えを世界に広めた使徒たちを象徴する空間を体感することでもあるのですね。
塔に登るべきか?メリットとデメリット


ここまで様々な情報をお伝えしてきましたが、最終的に「塔には登るべきなの?」という点が一番気になりますよね。もちろん、聖堂内部を見学するだけでもサグラダファミリアの魅力は十分に伝わります。ここでは、塔に登るメリットとデメリットを整理してみましょう。
メリット
- 地上からでは見えない建築の細部や装飾を間近で鑑賞できる
- 建設中の様子を目の当たりにし、歴史の一部に立ち会う感覚を味わえる
- バルセロナの美しい街並みや地中海を一望できる
- 「塔に登った」という体験そのものが特別な思い出になる
デメリット
- 追加料金がかかる(通常の入場券より€10〜€15ほど高くなる)
- エレベーターの待ち時間や階段の上り下りで時間と体力を要する
- 高所が苦手な人には怖いと感じる可能性がある
- 天候によっては景色が期待できない、または登れない場合がある
正直なところ、塔からの景色だけを期待すると、もしかしたら少し物足りなく感じるかもしれません。
しかし、ガウディ建築のディテールを間近で感じられることや、今もなお続く建設の息吹を肌で感じられることは、何物にも代えがたい貴重な体験と言えます。
結論:サグラダファミリアの塔に登るべきか
この記事を通して、サグラダファミリアの塔に登るかどうかを判断するための様々な情報をお届けしました。最後に、重要なポイントを改めてまとめます。
- 塔に登るには「塔付きチケット」の事前予約が必須
- 見学全体の所要時間は最低でも90分は確保したい
- おすすめの時間帯は光が美しい午前中か夕方
- 下りはすべて螺旋階段なので歩きやすい靴が絶対条件
- リュックなどの大きな荷物は1ユーロ硬貨で利用するロッカーへ
- 6歳未満の子どもや車椅子の方は安全のため登れない
- 雨や強風など悪天候の場合は入場が中止されることがある
- 天候不良で登れなかった場合は塔の料金が返金される
- どちらの塔に登るかは「ガウディ作の生誕」か「空いている受難」かで選ぶのがおすすめ
- 生誕のファサードはガウディの繊細な彫刻を間近で見られる
- 受難のファサード(Passion facade)はカラフルな装飾が魅力
- 各塔には12使徒の名前が付けられている
- ガウディ建築の細部や建設中の様子を見られるのが最大のメリット
- 追加料金や体力の消耗がデメリットとして挙げられる
- 時間に余裕があり、健康状態に問題がなければ登る価値は十分にある
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