パリ旅行のハイライト、ルーブル美術館。壮大な芸術の殿堂を前に、「一体どれくらいの時間を見積もればいいの?」と悩んでしまいますよね。
もしかしたら、限られた時間の中で、例えば1時間で主要な見どころを回れるのか、あるいは、すべての作品を全部見るには何日必要なのか、気になっているかもしれません。
また、入場料や、予約なしで訪れた場合の待ち時間、さらには予約時間より早く到着すべきか、閉館時間は何時なのかといった、具体的な計画に関する疑問も多いでしょう。
参考までにオルセー美術館の所要時間と比較してみたい、という方もいらっしゃるかもしれませんね。
この記事では、そんなあなたの疑問に全てお答えするため、ルーブル美術館の所要時間について徹底解説します。
あなたの旅のスタイルにぴったりの鑑賞プランを、一緒に見つけていきましょう。
- 目的やモデルコース別の所要時間
- 時間内に見どころを回るためのコツ
- 予約やチケットに関する注意点
- 混雑を避けるためのおすすめの時間帯
ルーブル美術館の所要時間を目的別に解説

- モデルコース別!所要時間を徹底解説
- 所要時間内で回るべき必見の見どころ
- 1時間しかない場合の回り方と見どころ
- 全作品を全部見るには何日かかる?
- 参考情報:オルセー美術館の所要時間
モデルコース別!所要時間を徹底解説

ルーブル美術館を訪れる際の滞在時間は、旅の目的によって大きく変わります。どのプランが自分に合っているか、ここでしっかり確認していきましょう。
代表作を巡る標準コース:3時間
もしあなたが「初めてルーブルを訪れる」「有名な作品は必ず押さえておきたい」と考えているなら、約3時間の滞在が一つの目安になります。この時間があれば、「モナ・リザ」「ミロのヴィーナス」「サモトラケのニケ」という三大傑作をはじめ、ガイドブックで紹介されている15〜30点ほどの主要な作品を、ある程度余裕を持って鑑賞することが可能です。館内は非常に広いため、移動時間を含めてもちょうど良い時間配分と言えるでしょう。
美術をじっくり堪能するコース:半日~1日
「美術が好きで、有名な作品以外もじっくり見たい」という方には、半日(約4〜5時間)から丸1日を確保することをおすすめします。ルーブル美術館には約35,000点もの作品が常時展示されており、3時間ではどうしても駆け足になってしまうエリアが出てきます。半日以上あれば、主要作品に加えて、ご自身の興味がある時代や地域の絵画、彫刻、工芸品などもゆっくりと鑑賞でき、より深い芸術体験ができますよ。
超特急で巡る弾丸コース:2時間
「パリでの滞在時間が短いけれど、どうしてもルーブルの雰囲気だけでも味わいたい」という方には、2時間で必見作品に絞って回るコースも考えられます。この場合、鑑賞できる作品はかなり限られますが、最も有名な作品が集中するドゥノン翼を中心に動くことで、効率的に三大傑作などを目にすることができます。
鑑賞スタイル | 所要時間の目安 | 主な鑑賞対象 |
標準コース | 約3時間 | 三大傑作+主要な有名作品15~30点 |
じっくり堪能コース | 半日~1日 | 主要作品+関心のあるエリアの作品 |
弾丸コース | 約2時間 | 三大傑作など必見作品のみ |
このように、一言で「所要時間」と言っても、目的によって最適なプランは異なります。ご自身の旅行スケジュールと相談しながら、無理のない計画を立てることが、満足度の高い鑑賞の鍵となります。
所要時間内で回るべき必見の見どころ
限られた時間の中でルーブル美術館を最大限に楽しむためには、どの作品を見るか、あらかじめ優先順位を決めておくことが大切です。ここでは、どの鑑賞コースを選んだとしても、ぜひ見ておきたい必見の見どころをご紹介しますね。
まず絶対に外せないのが、ルーブル美術館の「三大傑作」と呼ばれる作品たちです。レオナルド・ダ・ヴィンチの謎めいた微笑みが印象的な「モナ・リザ」、古代ギリシャ彫刻の理想的な美しさを体現する「ミロのヴィーナス」、そして今にも飛び立ちそうな翼を持つ勝利の女神像「サモトラケのニケ」。これら3作品は、世界中から多くの人々が訪れる理由そのものであり、館内でも特に重要な場所に展示されています。
この三大傑作に加えて、フランスの歴史や芸術を語る上で欠かせない名画も数多く存在します。フランス7月革命の激動を描いたドラクロワの「民衆を導く自由の女神」や、幅約10メートルにも及ぶ巨大なキャンバスに描かれたダヴィッドの「ナポレオン一世の戴冠式」は、その迫力に圧倒されることでしょう。
また、光の魔術師と称されるフェルメールの「レースを編む女」や、人間の心理描写が巧みなジョルジュ・ド・ラ・トゥールの「ダイヤのエースを持ついかさま師」といった、比較的小さな作品ながらも強い印象を残す傑作も見逃せません。
さらに、古代オリエント美術を代表する「ハンムラビ法典」や、古代エジプトの神秘を伝える「タニスの大スフィンクス」など、絵画や彫刻以外の分野にも重要な作品が揃っています。芸術作品だけでなく、ルイ14世の栄光を物語る豪華絢爛な「アポロンのギャラリー」や、ナポレオン3世時代の華やかな宮廷生活を垣間見ることができる「ナポレオン3世の居室」といった、建物自体の装飾や歴史的空間も大きな見どころの一つです。
これらの見どころは主にドゥノン翼とシュリー翼、リシュリュー翼に点在しています。事前にどの翼に何があるのかを把握しておくと、当日の移動がスムーズになりますよ。
1時間しかない場合の回り方と見どころ

パリでの乗り継ぎ時間や他の観光プランの都合で、「ルーブル美術館に割ける時間は1時間だけ」という状況も考えられます。非常に限られた時間ですが、ポイントを絞れば、美術館の最も有名な作品に触れることは不可能ではありません。
1時間で鑑賞する場合、訪れるエリアは「ドゥノン翼」一択となります。なぜなら、先ほど紹介した「モナ・リザ」や「サモトラケのニケ」といった、最も知名度の高い傑作がこの翼に集中しているからです。他の翼にまで足を延ばすのは、残念ながら時間的に難しいでしょう。
具体的な回り方としては、まずドゥノン翼の入口から入場し、階段の踊り場に立つ「サモトラケのニケ」を目指します。その迫力ある姿を様々な角度から眺めた後、すぐに案内板に従って「モナ・リザ」が展示されている部屋(711号室)へ向かいましょう。運が良ければ、短時間で鑑賞できるかもしれません。
そして、「モナ・リザ」と同じ部屋の向かい側には、ルーブルで最も巨大な絵画であるヴェロネーゼの「カナの婚礼」が飾られています。この2作品を鑑賞したら、最後にフランス絵画のセクションでダヴィッドの「ナポレオン一世の戴冠式」とドラクロワの「民衆を導く自由の女神」を一目見る、というのが現実的なプランです。
このコースは、まさにルーブルのハイライトを駆け足で巡るもの。一つの作品にじっくり時間をかけることはできませんが、「あの有名な作品を自分の目で見た」という感動は、きっと得られるはずです。1時間という短い時間でも、諦めずに計画を立ててみてくださいね。
全作品を全部見るには何日かかる?

「ルーブル美術館の作品を全部見るには、一体どれくらいの日数が必要なの?」という疑問は、誰もが一度は抱くかもしれませんね。その壮大さを知る上で、とても興味深い問いです。
まず、具体的な数字からお伝えすると、ルーブル美術館の展示作品数は約35,000点にものぼります。仮に1つの作品をたった30秒で鑑賞したとしても、単純計算で約300時間、毎日8時間鑑賞し続けても40日近くかかる計算になります。これは、食事や休憩の時間を全く含んでいないため、現実的にはさらに多くの時間が必要でしょう。
フランス人の知人が「週に2回、2時間ずつ通っても全部見るのに2ヶ月かかった」と話していた、というエピソードもあるほどです。
もちろん、これは全ての作品を平等に鑑賞するという、研究者のような視点での話です。私たち観光客がこのような目標を立てるのは、残念ながら現実的ではありません。むしろ、全ての作品を見ようと焦ってしまうと、一つ一つの作品から受ける感動が薄れてしまい、「文化的消化不良」を起こしかねません。多くの美術品を前に、かえって疲れてしまう可能性が高いのです。
したがって、ルーブル美術館を訪れる際は、「全部見る」という考えは一度手放し、「自分が特に見たい作品をじっくり楽しむ」という気持ちに切り替えることが大切です。そうすることで、一つ一つの作品としっかり向き合い、心に残る豊かな時間を過ごすことができますよ。
参考情報:オルセー美術館の所要時間
パリの美術館巡りを計画する際、ルーブル美術館と並んで候補に挙がるのが「オルセー美術館」です。二つの美術館の所要時間を比較してみましょう。
オルセー美術館の標準的な鑑賞所要時間は、一般的に2時間から3時間ほどと言われています。ルーブル美術館の標準コースが約3時間なので、少し短いか、ほぼ同じくらいの時間で見どころを回れる、と考えることができます。
この時間の違いが生まれる理由は、コレクションの特性にあります。オルセー美術館は、主に19世紀半ばから20世紀初頭の近代美術、特に印象派やポスト印象派のコレクションで世界的に有名です。ゴッホの「自画像」やモネの「睡蓮」、ルノワールの「ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会」など、日本でも非常に人気の高い画家の作品が中心となっています。
一方、前述の通り、ルーブル美術館は古代から19世紀半ばまでの幅広い時代と地域の芸術を網羅しています。そのため、コレクションの範囲も規模も、オルセー美術館より格段に大きいのです。
もし、印象派の絵画を中心に鑑賞したいのであればオルセー美術館、古代文明からヨーロッパ絵画の歴史まで幅広く体感したいのであればルーブル美術館、というように、興味の対象によって訪れる美術館や、滞在時間の配分を決めるのが良いでしょう。どちらもパリを代表する素晴らしい美術館ですが、その特徴と規模を理解しておくことで、より満足度の高い鑑賞計画が立てられます。
ルーブル美術館の所要時間を短縮するコツ

- 入場料とオンライン予約の基本情報
- 予約なしの場合の待ち時間はどれくらい?
- 予約時間より早く着くべきか解説
- 夜間開館など閉館時間の注意点
入場料とオンライン予約の基本情報
ルーブル美術館をスムーズに楽しむためには、入場料とチケットの予約方法について事前に知っておくことがとても大切です。
チケットの購入方法は、主に「オンラインでの事前予約」と「現地での当日購入」の2種類があります。それぞれの料金と特徴を下の表にまとめました。
購入方法 | 料金(1人あたり) | メリット | デメリット |
オンライン事前予約 | 22ユーロ | ・待ち時間を大幅に短縮できる ・希望の日時に入場が保証される | ・現地購入より2ユーロ高い ・事前の手続きが必要 |
現地での当日購入 | 20ユーロ | ・オンライン購入より少し安い ・予定が不確かな場合に柔軟に対応できる | ・長時間並ぶリスクが非常に高い ・入場制限で入れない可能性もある |
※2025年時点の情報です。料金は改定される可能性があります。 ※18歳未満の方やパリミュージアムパスをお持ちの方は無料ですが、無料の場合でもオンラインでの時間枠予約が必須です。
オンライン予約の方が2ユーロ高くなりますが、その価値は十分にあります。特に観光シーズンの日中は、チケット購入の列で1時間以上待つことも珍しくありません。せっかくの貴重な観光時間を有効に使うためにも、オンラインでの事前予約を強くおすすめします。予約はルーブル美術館の公式サイトから簡単に行うことができますよ。
予約なしの場合の待ち時間はどれくらい?

「予約なしで、当日に直接ルーブル美術館へ行ったらどうなるの?」と気になる方もいらっしゃるかもしれませんね。
結論から言うと、予約なしでの訪問は、かなりの待ち時間を覚悟する必要があります。比較的空いている日でも1時間、混雑する日には2時間から3時間以上待つことも珍しくありません。特に、多くの観光客が訪れる春から秋にかけてのシーズンや週末は、長蛇の列ができやすくなります。
注意したいのは、ルーブル美術館の入場システムです。入場時には、まず「時間指定券を持っている人の列」が優先されます。そして、その時間枠の入場者が大方入った後に、ようやく「予約なしの人の列」が進み始める、という仕組みになっています。つまり、たとえ朝早くから予約なしの列の先頭に並んだとしても、9時開館と同時に入れるわけではなく、9時台の時間指定券を持つ人々が先に入場するのを待たなければならないのです。
最悪の場合、館内の混雑状況によっては入場制限がかかり、長時間並んだにもかかわらず入館できない、という可能性もゼロではありません。
これらの理由から、貴重なパリでの時間を有効に使うため、そして確実に入館するためにも、予約なしでの訪問は避けた方が賢明と言えるでしょう。
予約時間より早く着くべきか解説
オンラインで無事にチケットを予約できたとして、次に悩むのが「予約した時間のどれくらい前に行けばいいの?」という点ですよね。これは、あなたの目的によって答えが変わってきます。
少しでも空いている状態で鑑賞したい場合
もしあなたが「他の人が少ない状態で、静かに作品を見たい」「誰もいない展示室の写真を撮りたい」と考えるなら、予約した時間枠が始まる30分以上前、場合によっては1時間近く前から並び始めるのがおすすめです。特に、午前9時の最初の時間枠を予約した人の中には、7時半頃から並び始める熱心な方もいます。早く並べば、その時間枠の先頭グループで入場できるため、人の少ないまっさらな状態の「モナ・リザ」の前に立てる可能性が高まります。
待ち時間をとにかくなくしたい場合
一方、「人混みは気にしないから、とにかく並ぶ時間をなくしてスムーズに入りたい」という方も多いでしょう。その場合は、意外かもしれませんが、予約した時間枠が終了する10分前くらいに到着するのが効率的です。
例えば、「9:30〜10:00」のチケットなら、9時50分頃に到着するイメージです。時間枠が始まった直後は、早くから並んでいた人々で一時的に行列ができますが、20分も経つとその列はほとんど解消されています。このタイミングを狙えば、セキュリティチェックなども含めて、ほとんど待つことなくスムーズに入場できることが多いのです。
ご自身の鑑賞スタイルに合わせて、現地への到着時間を調整してみてくださいね。
夜間開館など閉館時間の注意点
ルーブル美術館の鑑賞プランを立てる上で、開館時間と閉館時間を正確に把握しておくことは不可欠です。特に、夜間開館日をうまく利用すると、より快適な鑑賞ができますよ。
通常開館時間と休館日
まず、基本的な情報として、ルーブル美術館の通常の開館時間は9:00から18:00までです。そして、毎週火曜日は定休日となっています。この他に、1月1日(元旦)、5月1日(メーデー)、12月25日(クリスマス)も休館日なので、旅行計画を立てる際は注意が必要です。
おすすめの夜間開館
ルーブル美術館には、週に2回、夜間開館日が設けられています。水曜日と金曜日は、閉館時間が21:00まで延長されるのです。この夜間開館、特に18時以降の時間帯は、日中の混雑が嘘のように緩和され、非常に落ち着いた雰囲気の中で作品を鑑賞できるため、多くの経験者から「最高だった」との声が聞かれます。
日中は大混雑している「モナ・リザ」の前でも、夜間であれば比較的近くでじっくりと眺められるかもしれません。時間に余裕のある方は、ぜひこの夜間開館を狙って訪れてみてください。
訪問前の最終確認を
ただし、ストライキや特別なイベント、工事などの理由で、予告なく開館時間や休館日が変更になる可能性もあります。せっかく訪れたのに入れなかった、という事態を避けるためにも、訪問直前には必ずルーブル美術館の公式サイトで最新の情報を確認する習慣をつけておくと安心です。
ルーブル美術館の所要時間は計画が重要
- ルーブル美術館の標準的な見学所要時間は約3時間
- 美術好きなら半日から1日、時間がない場合は2時間でも楽しめる
- 1時間の場合はドゥノン翼の三大傑作に絞るのが現実的
- 全作品の鑑賞には計算上40日近くかかり現実的ではない
- 見どころはモナ・リザ、ミロのヴィーナス、サモトラケのニケの三大傑作が中心
- 民衆を導く自由の女神やナポレオン一世の戴冠式も必見
- オンラインでのチケット事前予約は必須
- 予約なしの場合、待ち時間は1~3時間以上になることも
- オンライン予約は22ユーロ、現地購入は20ユーロ
- 空いた館内が目的なら予約時間の30分以上前に並ぶ
- 待ち時間回避が目的なら予約時間枠の終盤に到着する
- 水曜と金曜は21時までの夜間開館日
- 夜間開館、特に18時以降は混雑が少なく最もおすすめ
- 最も混雑するのは月曜日なので避けるのが賢明
- 訪問前には必ず公式サイトで最新情報を確認する
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